旧晴海鉄道橋遊歩道化工事
歴史ある 鉄道橋を遊歩道へ 転生させた挑戦の軌跡

プロジェクト概要~歴史と文化を感じる水辺空間へ~
このプロジェクトは「令和5年度旧晴海鉄道橋遊歩道化工事」として、東京都の豊洲地区と晴海地区を結ぶ旧晴海鉄道橋を対象に実施されました。旧晴海鉄道橋は、貨物鉄道が走行する鉄道専用の橋として1957年に整備されたものです。鉄道橋として日本初のローゼ橋・連続PC桁が採用された歴史的な鉄道遺構でもあります。東京都港湾局は、この歴史ある鉄道橋を海上公園の一部として遊歩道化するプロジェクトを進行しました。
ショーボンド建設は、このプロジェクトの遊歩道化工事と橋梁補修(塗替塗装、支承補修)を担当。令和6年1月~令和7年6月まで工事を実施しました。鉄道レールを活かしたウッドデッキ工事、軌道構造を覗き見れるガラス床設置工、歩行者の通行に配慮した新たな高欄の設置、建設当時の色合いを再現した塗装など、従来のインフラ補修の枠を越えた工事に取り組み、当社としても多くの知見を得ることができました。
プロジェクトメンバー

現場代理人
首都圏北陸支社工事部
中途採用
2019年入社
O.K

施工管理
首都圏北陸支社工事部
新卒採用
2023年入社
S.R

設計
首都圏北陸支社技術部
新卒採用
2019年入社
N.Y

営業
東京営業所
新卒採用
2017年入社
H.S
※所属部署はインタビュー取材当時のものです。
社会的注目度の
高いプロジェクトへの挑戦

プロジェクトの受注から着工までの道のりには、
さまざまな工夫と挑戦がありました。受注までの背景を教えてください。
営業(H.S)
今回の案件は、東京都知事が遊歩道化を推進するプロジェクトとしてPRしており、社会的な注目度が非常に高いものでした。当社としても、歴史的な構造物を補修・保全する技術力を社会に知ってもらう良い機会だと考え、受注を目指しました。当社は橋梁工事をメインとしていますが、鉄道橋の施工実績は少なかったため、新たな分野へ挑戦する意味でも、ぜひ取り組みたいと考えていました。受注にあたって難しかったのは、予定価格を算出することでした。経験の少ない案件だったため、上司や先輩に類似工事の情報を聞いたり、さまざまな資料を研究し、どのように価格を算出するか徹底的に調べました。
設計・工法などの技術的な
難しさは、どのような点にありましたか?
現場代理人(O.K)
この工事は、鉄道が走っていた橋を遊歩道に変えるもので、元の構造を保存するというコンセプトがありました。一度撤去したレールなどを戻しつつ、最終的にはウッドデッキ仕上げの遊歩道にするという複雑な工程を含んでいます。既存の橋の上に何もない状態から、鉄骨を下地に敷き、転落防止の高欄を設置し、その上にウッドデッキを敷くなど、さまざまな材料と材質の構造を重ねていく必要がありました。このため、部材の取り合いや取り付けに関する検討は非常に細かくなりました。
また、橋の両側のアプローチ部分が撤去されていたため、資材の運搬が困難でした。重い鉄骨などは、海上から船に搭載したクレーンで吊り込んで設置する必要があり、海上施工の経験が少ない中、専門の揚重業者と密に連携しながら進める必要がありました。
設計(N.Y)
工期が厳しいプロジェクトであったため、設計の時間を短縮するために3次元測量(点群データ)を導入しました。これは当社にとって初めての大規模な取り組みでしたが、現場の状況を3次元で再現し、効率的に設計に反映することで、人手で行う測量作業を大幅に短縮できました。
また、当社の普段の補修・補強工事では「質」に重点が置かれますが、このプロジェクトは「見た目」も非常に重要でした。隣の橋からの景観や、ガラス床を通してもとの鉄道構造が見えるデザインなど、美観に対しても高いレベルの要求があり、新しい視点を持って設計に臨みました。元の鉄道橋の面影を残すことで、地域の方々に「好きになってもらえるように」という工夫も凝らしています。
チーム一丸となって
乗り越えた施工期間

工事期間中は、どのような苦労がありましたか?
また、どのようなことを工夫しましたか?
現場代理人(O.K)
N.Yさんが言ったように、設計段階で3次元測量を高精度に行ってくれたことで、現場での施工は全体的にとてもスムーズでした。
特に注意したのは、図面データと現場のすり合わせを行い、地道な基準点確認作業を徹底したことです。この橋の中央は一般の船も通る航路になっており、今回の工事は、その航路を確保しながらの施工が条件でした。そのため、施工範囲を豊洲側と晴海側に分割し、第1期・第2期の2期間に分けて工事を実施しました。 手戻りが許されない状況での工事だったため、最初の測量を高精度で行い、工場で製作した部材が現場で問題なく取り付けられるよう、現地での再確認を丁寧に行うことが非常に重要なポイントとなりました。
協力会社さんとのやりとりは、後輩であるS.Rさんが中心となって行いました。私は、現場での重要なポイントと最終的なゴールを明確に伝え、「失敗してもいいから、何かあれば相談してね」というスタンスで任せました。S.Rさんとは以前の現場でも一緒に働いていたため、お互いの強みや弱みを理解し、スムーズに連携できました。
施工管理(S.R)
このプロジェクトにはウッドデッキやガラス床の設置工事があり、普段お付き合いのない協力会社さんとの連携が難しさのひとつでした。工期が短く、特殊な作業もある中で、作業員さんとの密なコミュニケーションを通じて信頼関係を構築することを最も重視しました。日頃の何気ない会話から関係を深め、お互いに意見を言いやすい環境を作ったことで、第1期施工での学びを第2期施工に活かし、スムーズな進行に繋げられました。また、チーム内で日頃から相談しやすい関係性があったため、現場で問題が発生してもすぐに相談し、解決に向けて話し合えました。
設計(N.Y)
短い工期と大規模な現場という条件の中で、設計から上がってきたデータをもとに、O.YさんやS.Rさんが現地で再確認し、その結果を設計に反映するといった丁寧な連携が重要でした。初期段階は、私も現場に赴き、基準点などの重要なポイントを説明しました。設計では、現場での施工がしやすいように「余裕」を持たせることに注意しました。
営業(H.S)
工事開始後、計画になかった事態などが現場で発生した際は、営業が発注者と協議し、追加費用の調整などを行います。現場の困りごとにも営業が同席し、役所へ説明に行くなど、営業と現場担当者が密に連携しながら工事を支えました。
現場代理人(O.K)
H.Sさんはレスポンスが早く、発注者との交渉のプロです。現場で長く悩むより、すぐに相談するというスタンスを取れたことで、作業が大幅に効率化されました。このような営業と工事の連携体制が社内全体で築かれているため、スムーズにプロジェクトを進めることができました。
地域の方に愛される橋になることを楽しみに

当社が担当する工事は無事に竣工し、現在はその他の工事の終了を経て、橋の開通を待つ段階です。
工事を終えて、どのように感じていますか?
施工管理(S.R)
橋の隣にある歩道を通る地域の方々の反応が印象的でした。足場が外れて橋が見え始めると、立ち止まって写真を撮ったり、「いつ完成するの?」と声をかけてくださる方が多く、地域の方々がこのプロジェクトに注目し、完成を楽しみにしてくださっていることを肌で感じました。都民見学会を実施した際も、皆さんが興味津々に質問し、写真をたくさん撮っていた姿が心に残っています。
現場代理人(O.K)
やはり、完成した実物を見た時は「きれいに仕上がったな」という達成感を得られました。特に印象に残っているのは、ウッドデッキを敷く作業が進み、橋の半分が完成した時です。まだ半分でしたが、「ここまで来たな」「順調に進められたな」という区切りを感じ、残りの半分もがんばろうと強く思いました。予定通りに工事を完遂できましたが、その裏には苦労した点もありました。それでも、一人ではなく多くの人に助けてもらいながら、無事にゴールまで走り切れたことが、私にとって大きな自信となりました。
設計(N.Y)
私が最も印象に残ったのは、ウッドデッキの下の床組み部分です。鉄骨自体を水平に置かなければ、その上に敷くウッドデッキが綺麗に仕上がらないため、現場の職人さんの苦労や工夫が、完成した床組みの美しさから伝わってきました。通常は見えない部分ですが、そこがきれいに施工されているのを見た時、「すごいな」と強く感じました。
営業(H.S)
私は、まだ現場には行けていませんが、完成した橋の写真を見て、とても感動しました。図面だけでは想像しきれなかったガラス張りの部分から下の構造が見える様子や、ウッドデッキがきれいに並べられている様子を見て、「早く歩いてみたいな」とワクワクしました。この注目度の高い案件を受注できたことが、営業として何よりも嬉しかったです。
経験を活かし、
次なる成長の礎に

このプロジェクトを通じて得られた経験と知見は、これからの仕事にどう活かせると思いますか?
設計(N.Y)
3次元測量という新しい技術を大規模な工事で導入し、活用できたことは大きな経験です。また、土木の設計基準だけでなく、建築の基準を用いた設計方法を学ぶ機会を得られました。そして、新しい技術や知識を常に学び続ける姿勢の大切さを再認識しました。今後、建設されてから50年、60年と経つ構造物の補修・補強工事が増える中で、当初の設計通りに進まないことが多々あります。そのような状況に対し、問題解決能力を高め、現場がより施工しやすいような提案ができるよう、さらに勉強を続けていきたいです。
施工管理(S.R)
今回のプロジェクトを通じて、多様な協力会社さんとの連携や、短期間での施工における密なコミュニケーション、信頼関係構築の大切さを強く学びました。今回の経験で得たコミュニケーション能力と信頼関係構築のスキルは、今後より大規模なプロジェクトや、多くの関係者が関わる業務で活かせると思います。
現場代理人(O.K)
今回の現場で培った「周囲の人々を想像しながら仕事をする」感覚を、今後のさまざまな現場でも活かしていきたいです。発注者や、構造物を利用する人々のことを想像しながら仕事に取り組むことで、より良いものを作り上げていけると信じています。この工事は社内外から非常に注目度が高く、周辺住民の方々からも多くの関心が寄せられました。工事に関わる多様な方々の考えを想像しながら施工することの重要性を強く感じた現場でした。
営業(H.S)
今回は複数の案件が重なる中で、このプロジェクトを一人で担当し、情報収集から予定価格の算出まですべてを考え実行する経験をしました。この一連の流れを一人で完遂できたことは、大きな自信となり、どういった動きをすべきかという学びを得られました。今回の経験は私の大きな財産であり、今後新しく入社した営業担当者への継承にも活かしていきたいと考えています。
多様な経験を活かせる
環境で共に成長を
最後に、就職活動中の皆さんへ伝えたい、ショーボンド建設で働く魅力などを教えてください。
施工管理(S.R)
当社では、入社1年目に研修期間を設けており、さまざまな現場を実際に見て学ぶ機会があります。
そのため、2年目からでも今回のような大きなプロジェクトに携わり、経験を積むことができます。
先輩社員が常にそばにいて、丁寧に指導してくれる環境も当社の強みだと感じています。
設計(N.Y)
ここ数年で女性社員も増え、現場で活躍しているという話を聞くと、同じ社員としてとても誇らしく思います。
私の先輩たちが女性が働きやすい現場環境を築いてくれている最中ですが、男女関係なく、意欲があればさまざまな仕事に挑戦できる会社です。
現場代理人(O.K)
私は2019年に中途採用で入社しました。前職で鉄道の保守・線路管理に携わっており、今回の現場ではその経験を大いに活かすことができました。
社会インフラの保全によって人々の安全・安心な生活を守るという目的は同じですが、前職が「何を直すか、何を残すかを考え判断する」という視点だったのに対し、当社では「さまざまな制約条件の中で、実現可能な方法を検討・工夫して実行する」という役割が求められます。その違いが、新しい視点や発想を生み出すきっかけにもなっています。
当社の工事は多岐にわたるため、土木の経験がなくても、これまでのさまざまな経験を活かせる部分がきっとあります。
積極的にさまざまなバックグラウンドを持つ人が入社してくれることで、当社の可能性はさらに広がると考えています。
